舟橋村職員研修
第5限目
舟橋村の現状分析C
人口動態B総括
地域構造@新たな論点,広域的な村のポジション
開催日時:平成25年10月22日(火)18:00〜20:00
場所:舟橋村役場 2階会議室
平成25年度舟橋村職員研修5日目は,舟橋村の現状分析の新たな視点として地域構造の観点からポジションや立地特性を解明し,目指すべき広域的な方向を探るとともに人口増加の存立基盤を再考,人口問題プロジェクトのパースペクティブへの討議がなされた。

地域構造分析
〜舟橋村の広域的なポジション〜
分析担当・室蘭工業大学市村研究室
解説:富山大学地域連携推進機構 教授 金岡省吾
舟橋村現状分析の新たな視点として,様々なデータを用いて舟橋村と隣県市町村の特性の構造化を図った室蘭工業大学市村研究室が分析担当した資料データを解説。
広域的な見地から特徴を探る手法として市町村別データの多変量分析による地域構造把握方法があると紹介。多変量分析は地域特性など複合的作用を考慮し,主成分分析とクラスター分析に基づき地域構造の広域的な見地からの特徴を検出する。地域構造分析の指標として用いた富山・石川・岐阜・新潟の市町村の各種データ資料を閲覧し,舟橋村の現状と近隣・広域市町村との違いや似通った部分を把握・再確認した。
人口比率では15歳未満および65歳以上人口比率と自然増加率の特異性,単独世帯比率や65歳以上の親族のいる核家族世帯比率,昼夜人口比率などに特徴がててることを客観的に確認。介護老人福祉施設数や図書館密度(面積)の他市町村より突出している特徴、医療機関数や幼保施設数の状況,常住1人当たりの商店年間販売額や行政の財政力指数などの比較などの資料データから舟橋村の現状も再確認した。さらに資料データに基づき統計的に似通った市町村を類型化したクラスター分析結果から舟橋村の独自性と近似市町村を探り,舟橋村の広域的なポジションや特徴を検討・討議した。また,国勢調査の通勤通学流動調査データによる都市構造分析結果から富山県および隣接の石川・岐阜・新潟の各都市間の1次流動・2次流動・3次流動の人の流れを把握し,都市の役割や地域構造の現状を明確し,都市のつながりについても現状を確認した。
地域構造分析データを受けての全体の討議では,舟橋村と似通った自治体についてや客観データによる特性、近隣の市町との違いや課題などがあげられ,舟橋村の広域的なポジションや特徴についての認識を共有した。金岡教授から「舟橋村だけでなく近隣市町のデータも巧く使って進めて欲しい」とアドバイス。吉田氏は「これらの資料を施策のバックアップデータとして活用して欲しい」と話した。

ディスカッション
舟橋村の現状分析
進行:富山大学地域連携推進機構 教授 金岡省吾
第2回目から今回までの4回に渡った舟橋村の現状分析を復習し,年代別の変化や人口変化が村に起こす変化,人口変化への対応について等人口動態と今後の変化についての再確認をおこない,これまでやってきた舟橋村の現状分析を統合化して各人が「自分の言葉で話せるようにして欲しい」と金岡教授より指示。舟橋村人口増の要因であった宅地開発で選択ポイントであった土地価格の安さに関して当時と現在の状況について把握するために,周辺地区との最近20年間の地価公示価格の比較データが林氏より提出され地価の変遷と現況,現在の近隣の分譲宅地実売価格や不動産業者の聞き取り調査での状況など詳細を解説し,現状での価格面では他地域と比較して割安感だけで舟橋は選択されないと話した。
割安感以外での舟橋の魅力は何かをみんなで探していくこと,利便や教育環境・防犯体制等について討議。村の設備やサービス面で差別化を図る必要性,若い世代での口コミでの魅力伝達などが話された。人口動態変化と今後の変化で予想される課題やその対応へのスイッチとなる子育て世代対応,出生率向上,高齢化対策,財政問題への施策は何なのか自分たちで情報を探して,舟橋村の現状について自分の言葉で次回までにまとめるよう課題がだされた。また次回から次のステップに移行するにあたり,『どのような村を目指すのか』『将来人口の設定をどこにするか』があわせて課題としてだされた。
総括
研修の5日目を終えて,林氏から「村の人口問題について様々な要因を議論したが難しいことだけどそれらを関連付けしてまとめてください」とメッセージ。吉田氏からは「これからは競い合う時代目先だけでなく将来も実感できることを考えていって欲しい。与えられる環境には限界がある。行政はどうやっていけばいいのか考え,従来の一方方向サービスだけでなく考え直す時にきている。」と総括をおこなった。