県内外の高等教育機関,地方公共団体,経済界,金融の関係者などで,約200名もの方々に参加いただいた。
多数のご参加をいただき感謝する。本村の地方創生は,産学官金の連携によって「子育て共助のまちづくりモデル事業」を実践し,その構成員が数年後に新分野で事業展開することをサポートするとともに,地域を経営する組織を立ち上げ,企画・運営していくこととしている。この大きな特徴の一つは,民間事業者の皆様が地域課題をビジネスによって解決する取り組み(CSV)の中で,その関連事業を舟橋村というフィールドで応援し,実践いただくことを目的としている点で,もう一つの特徴は,民間事業者のこの取り組みを県内外に波及いただくことで,県全体の発展を志向している点である。ご来場の皆様方には,今後の地方創生の更なる推進に向けた一助となれば幸いである,と挨拶した。
舟橋村から新しいメッセージを発信でき嬉しく思います。ソーシャル物理学と言う新しい学問があり,人の生活や人の集団から多くのデータを取り,分析,研究していくものです。舟橋村での取組のお手伝いを大学がさせていただくことで新しい取組ができた。舟橋村から新しいモノを皆さんで発信していきたい。
今年は地方創生実行の年,全国の市町村の取組をいかに地域に根付かせ進めていくかの年である。舟橋村の戦略は特徴的で,産官学金が共通価値を創造し,地域一帯となって取り組むもので大変期待している。
舟橋村で造園家が子育て共助のまちづくりに取組ができるか参加させていただき感謝している。自分たちの業界の生き残りのため,新しい価値を生み出すよう自らのアクティブプランニングを勉強会で体験させてもらった。舟橋村の課題に取り組み,まちづくりのためにこの力を使っていきたい。
舟橋村の人口推移や人口増に伴う影響・課題とこれまでの経緯,事業概要を説明した。
舟橋村をフィールドに産学官金連携で「子育て共助のまちづくり」に取り組むことで,転入促進と「舟橋村でならもう一人子どもを産みたい」と思える環境をつくりたい。 民間企業の皆さんには,CSVの考え方をもとに第二創業を図っていただくことによって,県内企業の魅力・競争力を向上させ,富山県全体の魅力向上につなげていきたいと,村が目指す地方創生のイメージと概要を説明した。
舟橋村での「ふなはし保育園」の取組みについて紹介。ふなはし保育園の目指すモノは地域の方々が保育園運営に実際に関わり保育士と一緒に子どもたちの成長を見守り支えていく保育園。平成28年度の取組として村内団地にお住まいの40代から60代の女性を訪問しヒアリングを行い,保育園の子どもたちと共に時間を過ごせるきっかけづくりを検討した。
ふなはし保育園は平成30年4月に認定こども園として再スタートをきる。認定こども園では保護者の収入などに関わらず全ての子どもを預け入れることができ,モデルエリアとなる併設される公園で地域の方に見守られながらの子育てコミュニティができる。
私たちが思い描く子育て共助は,地域と共に子どもたちの成長を見守り支えること,子育て世代の方に地域全体から見守られながら子育てをするという安心感を,子どもを見守る大人には子育てに関わる喜びや生きがいを創出できる保育園運営を目指している。
ICT(Information and Communication Technology)を活用した舟橋村での子育て共助コミュニティの取組について紹介。ICTについて概要を説明し,舟橋村で取り入れたICTサービスは,スマホアプリなど情報ツールを活用して子育て世代の方に情報交換と交流の場を提供し子育て支援とコミュニティ形成に役立たせるというシステムであると紹介。
あえて,システムで完結しない不便さを入れることで顔を合わせて情報交換・交流できる要素をいれた社会実験をおこなったと説明。地域の子育て世代の住民同志をつなげるきっかけづくりとなったと報告。
今回の取組みを通して実感したことは子育て経験は財産であり思いや経験をシェアすることで小さな共助になったことを目の当たりにしたことと,ICTでお母さん方が顔見知りになれたことであったと報告された。また,データを広く世界で使っていくだけでなく,データーの地産地消,地域で集めたデータを地域で使っていく活動は今後も続けたいと話した。
業界として取り組んだ勉強会の様子や,公園におけるコミュニティづくりのために行った子育てママへのヒアリングや地域住民とのワークショップ,公園を使ったイベント等を紹介。
金岡氏からは,見えてきた様々な課題に対応すべく,今後は指定管理でのコミュニティづくりや企画書づくり,クラウドファンディングの可能性を勉強していきたいと抱負があった。
子育て支援サービスとコミュニティ醸成の手法を取り入れた賃貸住宅をつくるヒントを得るため,勉強会とヒアリングを開催。
まだまだ事業化のアイディアにつながっていないのが現状であり,今後のプロポーザルに向け,隣接する保育園・公園との連携も視野に入れながら検討を進めると報告した。
PPP/PFIの概要を説明。舟橋村でのPFI事業調査・各種ヒアリングの実施結果を報告し,次年度以降の子育て共助のまちづくりを実現するためのステップと最終目標となる地域運営会社の設立・運営までの方針を報告した。
●パネリスト | ||
内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局 | 内閣参事官 | 尾田進氏 |
NTTアドバンステクノロジ株式会社 | 代表取締役社長 | 木村丈治氏 |
一般社団法人富山県緑化造園土木協会 | 会長 | 加茂輝隆氏 |
富山大学 | 理事(地域貢献担当)・副学長 | 鈴木基史氏 |
舟橋村 | 村長 | 金森勝雄 |
●コーディネーター | ||
富山大学地域連携推進機構地域連携推進戦略室 | 室長 | 金岡省吾氏 |
地方創生の全国の動きや地方創生3年目の現状・力点と村の取組へのアドバイスをいただいた。尾田氏からは,「舟橋村の状況は他の市町村にないもので,最先端の取組。期待している。」とエールをいただいた
ICT活用によるコミュニティ活性化の展望と村の取組への感想・アドバイスをいただいた。木村氏からは,「ICTはあくまで手段。舟橋村ではコミュニティ形成のためにわざと不便な部分を残し,コミュニティの活性化を狙うというICT本来の役割とは異なる手法をとり,子育て共助にどう生かすか考えた。ビッグデータを活用したコミュニティ活動の活性化をビジネスに生かし,サービス・品質の向上にどうつなぐかが課題」と今後の課題と抱負をいただいた。
富山県内のパークマネジメントの展望とこれまでの取組への感想・アドバイスをいただいた。加茂氏からは,「中身の濃い勉強会の機会をいただいた舟橋村に感謝する。公共事業は半減しており,これからどう生き残っていくのか考える良い機会となった。魅力を創出すること,施主が求めているものを具現化して形にすることが大切であり,家族・地域を緑がつなぎ,社会・心のつながりをつくることのできる成功事例として次の世代につないでいきたい」と抱負をいただいた。
地方創生への大学の役割と今後についてお話いただいた。鈴木氏からは,「舟橋村が行う大きな社会実験は,日本全国の自治体が持つ課題解決への大きなヒントとなるだろう。大学も力を入れ,知恵を出してやっていくので,応援してほしい。」とエールをいただいた。
民間事業者をはじめとした関係者の皆様のご協力のもと,引き続き着実に事業推進を図りたいと抱負を語った。