舟橋村地方創生
舟橋村/富山大学

令和2年度 エリアマネジメント勉強会 第3回

日時 :令和2年9月23日(水)14:00〜17:00
会場 :舟橋会館2階研修室1・2

舟橋村エリアマネジメント勉強会の3回目が行われ,勉強会受講者,後援・協力機関関係,オブザーバー等,会場参加とリモート参加合わせて約40名が,室蘭工業大学らが論文にした「富山県舟橋村における人口減少に向けた子育て共助型モデルエリアのマネジメント」について理解を踏まえ,ビジネスプランの検討に向けて意見交換を行った。

前回の振り返り

舟橋村生活環境課課長:吉田昭博

これまでの勉強会では,「コミュニティ」,「定住・転入」,「出生率」,「共通価値」など様々なキーワードが出てきた。最終的には,舟橋村が求める「定住・転入」,「出生増」に寄与することが舟橋村の課題解決,すなわち,村と参加団体の共通価値の創造を図ることであるとまとめた。

今回の勉強会のテーマでは,子育て共助が生まれている子育て支援センターぶらんこを対象にした活動のメカニズムを解明し,「①コミュニティと転入はどんな関係か?」,「②地方創生に向けた自社の役割は?」について検討し,勉強会メンバーでの共有を図る。

情報提供

テーマ:舟橋村子育て支援センター・ぶらんことは

エリアマネジメント勉強会 3日目
舟橋村生活環境課住民係長 廣瀬美歩

舟橋村子育て支援センターぶらんこは,平成27年4月にオープンした。コンセプトは,「つなぐ」こととし,子どもにとっては,「遊びの場・友達作りの場」であるとともに,親にとっては「子育て仲間と知り合い,子育て情報の交換・子育て相談の場」でもある。利用人数が着実に増加し,近隣市町からの利用者数も増えている状況である。

討議

テーマ:富山県舟橋村における人口減少に向けた子育て共助型モデルエリアのマネジメント

エリアマネジメント勉強会 3日目 討議
講師:室蘭工業大学大学院工学研究科 北村優人氏
   室蘭工業大学大学院工学研究科 市村恒士教授

これまでの勉強会では,「共感」と「愛着」,「都市と地方」,「コミュニティ」,「人口減少に歯止め」,「地方創生」,「共助」などの様々なキーワードが出てきた。本論文では,子育て支援センターぶらんこの利用者アンケートを基に,地方創生に向けた施設マネジメントのメカニズムを解明した。この勉強会を通して,実務者のみなさまとともにメカニズムを共有させていただきたい。

■本研究で明らかになったこと
  1. ・子育て共助に向けた取組を進めることで地方創生に寄与すること
  2. ・「サービスの満足度」が「育児・共助」に寄与すること
  3. ・「交流・参加」が「子育ての楽しさ」や「コミュ二ケーション」に寄与すること
  4. ・「ボランティア活動」が「育児・共助」に寄与すること
  5. ・「定住・転入意向」には,「育児・共助」,「コミュニケーション」,「地域愛着」が寄与すること
  6. ・上記の内容等が明らかとなり,「実務者へのフィードバック」や,「実務者へ情報をフィードバックし,マネジメント上の課題に対応した研究を継続的に行うこと」も必要であるとまとめた。

討議

聴講した情報や話題を受けて個人ワークシートに,「コミュニティと転入はどんな関係か」,「どのような取組から定住転入増の効果が生まれたか」,「地方創生に向けた自社の役割」などを記入する個人ワークを15分間行い,その後,4グループに分かれて30分間討議し,グループ内で考えを共有化した。討議終了後は,本日のテーマについて,各人が1分程度で意見感想などのコメントを発表し,全体で共有を図った。

主な発表内容
  1. 株式会社AsMama 樋渡 優子
  2.  場をつくることで,ヒトが集まることができる。研究論文にある「子育ての楽しさ」にどのように影響を与えることできるかが,弊社の課題であるとともに役割であると感じた。
  1. 株式会社AsMama 川添 華子
  2.  コミュニティが作られてくる過程の中で,ソーシャルビジネス(=お金が発生するところ)までつくっていければよいと思った。
  1. 株式会社irodori 西川 晃平
  2. 勉強会に参加するメンバーとの関わりを大切にしながら,「ボール遊び教室」を進めていきたい。
  1. 有限会社 金岡造園 金岡 伸夫
  2.  イベントだけやれば良いのではなく,自分たちの取組に賛同してくれる仲間を増やすプロセスを大事にし,仲間を増やしていくことが重要である。ハード・ソフトともに,各種団体に発信していくのが重要である。企業や公共がこの活動に投資してくれるところを目指していく。
  1. 積水ハウス株式会社 矢倉 嗣也
  2.  ESG(Environment Social Governance)では,E(Environment)までは利益につながるが,S(Social)がまだまだ利益につながることが立証されていない。会社の中でも利益につながると考えられていない。
     サービスの総合満足度の向上とESGの「S」に資する価値向上が連動し,企業価値につながる可能性を企業の意思決定者に認識させる方法を見出していく。
  1. 積水ハウス不動産中部株式会社 佐々木 勝治
  2.  アパートの周辺価値も上げられるように,「コミュニケーション」をいかに醸成してくか,または,外構の物品価値を高めることも必要である。 他社と連携すること等で共助が出てくる可能性がある。
  1. 70seeds株式会社 岡山 史興
  2.  子育て共助や子育て支援の動きが村の今後につながっていくのかというのが,年配の人たちに理解されていないと思われる。
  1. 一般社団法人 日本造園建設業協会 北陸総支部 久郷 愼治
  2.  黄色い表のなかに,お母さんのゆとりが生まれた,役に立ったというものがあり,お母さんたちの中に,頼り頼られるという仕組みができているというのに驚きを感じた。
  1. 富山財務事務所 小林 利臣
  2. 財務事務所としてはパートナーシップを構築して,スキームをサポートする仕組みづくりや,ソーシャルインパクトやファイナンス的なところの仕組みづくりを支援していきたい。

総括&事務連絡

次回は,「子育て世帯が求めるコミュニティを知り,その醸成方法を考える」をテーマとし,10/7(水)14:00より,舟橋会館2Fで開催する。