舟橋村地方創生
舟橋村/富山大学

令和2年度 エリアマネジメント勉強会 第4回

日時 :令和2年10月7日(水)14:00〜17:00
会場 :舟橋会館2階研修室1・2

舟橋村エリアマネジメント勉強会の4回目がおこなわれ,勉強会受講者,後援・協力機関関係,オブザーバー等,会場参加とリモート参加合わせて約30名が,子育て世代が求めるコミュニティと醸成方法について舟橋村での取組事例から考えて討議をおこなった。

前回の振り返り

舟橋村生活環境課課長:吉田昭博

前回の勉強会では,研究論文により,地方創生に向けた評価構造図の説明があり,モデルエリア内の子育て支援活動から地方創生に寄与すること等が明らかとなった。今回の勉強会では,本村で取り組まれている「子育て支援センター」と「オレンジパーク」内での活動状況について発表していただくとともに,第4回勉強会では,子育て共助が生まれている子育て支援センターぶらんこを対象にした活動のメカニズムを解明し,「①舟橋型”の子育て支援とは?」,「②構造図の中で自社の得意なポジションはどこ?」について検討し,勉強会メンバーでの共有を図る。

講義

テーマ:子育て世帯が求めるコミュニティを知り,その醸成方法を考える

子育て世帯が求めるコミュニティを知り、その醸成方法を考える

舟橋型の子育て支援とは① 「舟橋村子育て支援センター・ぶらんこ」の状況について

発表者:舟橋村生活環境課住民係長 廣瀬美歩

舟橋型子育て支援では,親子がつながる「仕掛け」と,一人じゃない「安心感」をキーワードに取り組みを進め,「期待感」が生まれるともに,子育て世帯に選ばれる村につながった。さくらんぼクラブでは,様々な仕かけを作り,利用をしていただいている。

■「さくらんぼくらぶ」での様々な仕掛け
  1. ・専門的でない“ゆるっと”した繋がり,頼り合える仲間と繋がる
  2. ・親以外の誰かが子育てをサポートできる環境
  3. ・会話が生まれる“間”をつくり,仲間とのきっかけを生み出す
  4. ・関わる“すきま”をつくる,関わる事で愛着を生み出す
  5. ・関わり方の入り口は,様々用意しておく
  6. ・利用者が「小さな共助」しやすい仕掛けをつくる
  7. 上記の内容等を仕掛けることで,「高いリピート率」を維持することに加え,「定住転入」につながっている。

舟橋型の子育て支援とは② オレンジパーク「月イチ園むすび」の状況について

発表者:有限会社金岡造園代表取締役 金岡伸夫氏

オレンジパーク舟橋(京坪川河川公園)では,「公園の使いこなし」をテーマにこれまでに,各種団体との連携や,クラウドファンティングに取り組んできた。公園の主役は,子どもであると考え,「子ども公園部長」さらには,KKB48(子ども公園部長の女子チーム)などを誕生させ,子どもたちとともに公園づくりに取り組んでいる。

月イチ園むすび事業では,親子が「繋がる安心感」と「関わる楽しさ」をキーワードに,「月替わりでちょっと変わったイベントを企画しながら,公園を舞台に人の輪を広げる取り組みを進めている。しかしながら,室蘭工業大学らから示された評価構造図の機能を1社で担うには限界があり,勉強会に参加する企業同士で連携することで,地方創生に資する「定住・転入促進」に繋げていきたい。

舟橋型の子育て支援とは③ まとめ

発表者:舟橋村生活環境課  廣瀬美歩係長 吉田昭博課長

「ぶらんこ」では「コミュニティ」,「共助」などを言葉せずに,集まったメンバーで自然に促し,「心地よさ」を生みだしている。「月イチ園むすび」は,参加者にどのように関わってもらうかを検討するために,イベント準備の打ち合わせに膨大な時間をかけている。最初のきっかけは「共感」をキーワードにし,一緒に関わる事で,「安心感」を醸成している。

討議

聴講した情報や話題を受けて個人ワークシートに記入する個人ワークをおこない,その後4グループに分かれて各個人ワークの内容についてグループ毎に30分間討議しグループ内で考えを共有化した。討議終了後,本日のテーマについて各人が1分程度で意見感想などのコメントを発表し全体で共有した。

エリアマネジメント勉強会 4日目 討議
  1. 株式会社AsMama 樋渡 優子
  2.  弊社は交流・コミュニケーションに力を入れているが共感を持つという部分では弱く,アプリの中での共感・愛着を深めることが課題として求められる。
  1. 一般社団法人 日本造園建設業協会 北陸総支部 久郷 愼治
  2.  お互いが安心と共感を築ける場づくりが重要であるとともに,クオリティが高い交流と参加が興味関心を生み,信頼,安心,自信に繋がり,共助となるステップがわかった。
  1. 株式会社AsMama 川添 華子
  2.  押しつけがましく無く,参加者が関われる場や仲間をつくる大切さ,上手にお節介を焼くことができるキーマンの大切さを感じた。ボランティアのサポートの幅を拡げていきたい。
  1. 株式会社AsMama 林 知絵
  2.  印象に残ったことは「キッチリ作り込まないこと」,「愛着をつくること」である。自分が関わる事の大切さを理解した。
  1. 株式会社irodori 西川 晃平
  2.  自分で進めるのは簡単であるが,人に任せる(=役割を譲渡する)ことが重要であることが再認識した。交流・参加しやすい環境をつくっていく。
  1. 株式会社AsMama 甲田 恵子
  2.  コミュニティには,絶対がなく変化し続けるものである。ICTを活用し,コミュニティを発展させながら,新たなコミュニティをデザインしていくことが重要である。
  1. 有限会社 金岡造園 金岡 伸夫
  2.  地元の企業であることが長所であると捉え,自分たちが生き残っていく道が何処にあるのか探っていく。
  1. 70seeds株式会社 岡山 史興
  2.  活性化するためには,メカニズムの矢印をどのように活性化していくか等,村内と村外をどのように関わりを持たせていくかが自社の課題である。
  1. 積水ハウス不動産中部株式会社 佐々木 勝治
  2.  アパートの中でコミュニティを醸成する仕掛けができるのではないかと思った。しかし,自社で取り組むと,ビジネス色が強くなるため,園むすび等の力を借りながら,地方創生に関わりたい。

総括&事務連絡

  1. 次回は,「CSVを考える」をテーマとし,10/21(水)14:00より,舟橋会館2Fで開催する。