造園業地域イノベーション塾(第4回)
日時 |
:平成30年3月20日(火)16:00〜18:00 |
会場 |
:富山県民会館503号室 |
参加業者 |
:6社 |
造園業地域イノベーション塾の第4回目が開かれた。参加メンバーらは,県内の先導的企業の事例や全国のCSV事例について学び,造園業として取り組めるCSVビジネスについて話し合った。
前回の振り返り
第1回から第3回の講義のポイントと今回の講義の狙いについて振り返った。
講義 〜CSV先進事例研究〜
①県内CSV事例「子育て共感コミュニティ住宅 Amitie」
同社が開発し,分譲中の「子育て共感コミニティー住宅 Amitie」プロジェクトの概要と特徴・課題などについて講義があった。
<主な講義内容>
- なぜコミュニティタウンなのか(富山型ディサービスとの出会いからNPO設立,若年層の住宅需要と低価格高品質住宅の提案など)
- 「子育てコミュニティ住宅 Amitie」の概要と特徴(江戸時代の長屋文化,地域の祭りや近所付き合いができるコミュニティ,孤独な子育てからの解放,土地,建物,家具,家電,駐車場,太陽光発電システムをひとまとめにして,トータルコストの引き下げなど)
- 木村産業(株)が目指しているもの(キーワードは「幸せ」,可処分所得を増やすことが幸せに繋がる,豊かな子育て環境で暮らし,地域に子供の笑顔が増えることなど)
②CSV事例からみたビジネスモデルのとらえ方
全国のCSV事例のビジネスモデルから造園業が取り組むCSVの切り口について講義があった。
<主な講義内容>
- CSV事例紹介とCSVのモデル(中山間地域などの移動スーパー/高齢者向けの移動・サポート事業/家電販売店による総合生活サポート事業/人材育成・障害者支援/耕作放棄地での新産業「コケ栽培」/造園業による空き家管理サービス/造園業による雑貨店経営/自治組織による水道検針事業/大手企業による小規模公園の再生/寺院での寺子屋事業/高齢者の困り事ワンストップサービス拠点)
- 都市公園,造園業のCSVを考えるヒント
話し合い
進行 :株式会社日本能率協会総合研究所 塩見一三男 |
アドバイザー:木村産業株式会社 木村吉秀 |
アドバイザー:富山大学地域連携推進機構教授 金岡省吾 |
講義の感想などについて話し合った。
<主な意見>
- アグレッシブに動いた事例で共感できることが多かった。
- 如何に公園を使うか,使うプロになっていけるか,社会課題に自らの価値を見つけ出せるかが課題。
- ネガティブなイメージと闘いながら取組む場面がある。
- 造園業も若い世代が変わらなければならない。自分の仕事だけで無く,地域・子供たちへも行動を起こしたい。
- 地域のかかわり方は人により異なる。選択肢を設け,押しつけでなく自然発生的にコミュニティに関われると良い。
- 業界的に担い手不足が進んでおり、仕事を今以上増やしたくない傾向が強く、担い手不足の解消が急務の課題である。
- 指定管理での自主事業エリアでの自由裁量型の収益事業の容認など、規制の緩和があれば展開も拡がる可能性がある。
- 大事なのは地元の未来と子供たちの将来であり、人の繋がりを大切に思っている。
- 金岡教授
- 企業の生き残りをかけて,どうやって地域をつくっていくのか。都市公園の管理は造園の仕事だけでなくなってきている。造園業は,新しいコミュニティをつくっていくか植物管理を徹底するかの別れ道になっている。